数学・統計 統計学最尤推定ベイズ概念解説
最尤推定・ベイズを“数式の意味”から理解する
統計の二つの考え方「最尤推定」と「ベイズ」を、数式の操作ではなく“何を言っているのか”という意味から かみくだいて解説する概念ガイド。
統計を学ぶと必ず出会う「最尤推定」と「ベイズ」。式だけ見ると身構えてしまうが、言っていること自体はとても直感的だ。意味からつかんでおくと、教科書の数式が一気に読みやすくなる。
最尤推定 ―「いちばんありそうな説明を選ぶ」
手元にデータがある。そのデータを「最もうまく説明できる」パラメータはどれか——最尤推定がやっているのは、突き詰めればこれだけだ。「このデータが得られる“尤もらしさ(likelihood)”を、いちばん大きくするパラメータを選ぶ」。
- コインを10回投げて7回表が出た。「表の確率」をいくつと推定すべきか?
- 「7/10=0.7のとき、この観測がいちばん起こりやすい」——これが最尤推定の答え。
数式(尤度関数の最大化)は、この直感を厳密に書いただけだ。
ベイズ ―「事前の信念を、データで更新する」
ベイズの発想はもう一つの自然な考え方だ。「最初に持っていた信念(事前分布)を、データを見て更新する(事後分布)」。
- 最初は「コインは公正だろう」と思っている(事前)。
- 7回表が出た(データ)。
- それを踏まえて「少し表が出やすいかも」と信念を更新する(事後)。
ベイズの定理は、この「信念の更新」を確率の言葉で書いた式にすぎない。
二つはどう違うのか
- 最尤推定:データだけから「いちばんありそう」を選ぶ。
- ベイズ:事前の信念とデータを組み合わせる。
どちらが正しいというより、問いの立て方が違う。この意味をつかんでおくと、久保川や竹村の教科書で出てくる式が「ああ、あの話か」と腑に落ちる。
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