経営・経済学 経営戦略競争戦略系譜比較
ポーター vs バーニー ― 競争戦略の二大潮流を地図にする
競争戦略論の二大潮流「ポジショニング(ポーター)」と「資源ベース(バーニー)」の違いと関係を整理し、 どちらから・どう読むかの地図を示す比較ガイド。
競争戦略を独学すると、必ず二人の名前にぶつかる。マイケル・ポーターとジェイ・バーニー。両者はしばしば「対立する二大理論」として語られるが、実際には問いの立て方が違う補完関係にある。ここを地図にすると、戦略論の見通しが一気に良くなる。
二つの問い
| ポーター(ポジショニング派) | バーニー(資源ベース派/RBV) | |
|---|---|---|
| 中心の問い | どの市場で、どう位置取るか | 自社の何が強みか |
| 競争優位の源泉 | 業界構造・位置取り(外) | 内部資源・ケイパビリティ(内) |
| 代表的な道具 | ファイブ・フォース、基本戦略 | VRIO |
| 代表作 | 『競争戦略論』 | 『企業戦略論』 |
「対立」ではなく「補完」
RBV(資源ベース理論)は、「ポーターは外部環境に偏り、企業内部の違いを説明できない」という批判から発展した面がある。だが実務では、外(市場の魅力度)と内(自社の強み)の両方を見なければ戦略は立たない。ポーターで「どの土俵で戦うか」を、バーニーで「何を武器に戦うか」を考える——この二つは車の両輪だ。
どう読むか
- まず入門書で全体像を持つ(→ 『経営戦略入門』)
- **ポーター『競争戦略論』**で「外=市場」の分析を学ぶ
- **バーニー『企業戦略論』**で「内=資源」の分析を学ぶ
- 伊丹『経営戦略の論理』で、両者に「時間(ダイナミクス)」を加える
詳しい順序は 経営戦略を独学するロードマップ を参照。
まとめ
「ポーター vs バーニー」は勝ち負けの話ではない。外と内、二つのレンズを持つことが、戦略を立体的に見る力になる。