情報・信用・技術といった「見えざる資産」を中核に据え、戦略の論理とダイナミクス(不均衡をてこにした成長)を論じる、 日本の経営戦略論を代表するテキスト。
「見えざる資産(情報的経営資源)」を軸に、戦略を静的なフレームワークではなく時間の中で展開する「動き」として論じた日本発の理論書。 ポーター・バーニーが描く静的な構図に、ダイナミクスとオーバーエクステンションという時間軸を補ってくれる。
ポーターやバーニーの枠組みは強力だが、ある時点での「位置」や「資源」を切り取る静的な分析になりがちだ。伊丹『経営戦略の論理』は、そこに時間軸=戦略のダイナミクスを持ち込む。鍵概念が「見えざる資産(情報的経営資源)」——カネやモノと違い、使っても減らず、蓄積に時間がかかるがゆえに模倣されにくい強み。さらに「オーバーエクステンション(あえて身の丈を超える挑戦が資産を育てる)」という不均衡をてこにした成長の論理は、海外の戦略論にはない視点だ。日本語で書かれた戦略理論の到達点の一つとして読む価値がある。
経営戦略を独学するロードマップ のステップ3(中核+)。二大理論(外=市場/内=資源)に、時間軸を加える位置づけ。