ノモンハンからレイテまでの主要な失敗を事例に、日本軍という組織の構造・学習・意思決定の欠陥を分析。 環境適応の失敗を組織論として一般化した研究書。
旧日本軍の敗戦を「組織」の問題として分析した古典。戦記ものとして消費されがちだが、本質は 「環境変化に適応できない組織はなぜ生まれるか」という普遍的な組織論であり、現代の企業組織にそのまま刺さる。
『失敗の本質』は「日本軍の本」として読むと半分しか味わえない。本書の核心は、**「かつて成功した組織が、なぜ環境の変化に適応できず自滅するのか」**という、企業にもそのまま当てはまる組織論にある。過剰な人間関係への配慮、曖昧な戦略目的、既存の成功体験への固執、学習の欠如——挙げられる失敗の型は、現代の組織が陥るものと驚くほど重なる。戦記としての面白さに引っ張られず、組織の適応と学習の理論として読むと、教訓の射程が一気に広がる。共著者に野中郁次郎(知識創造論)が名を連ねる点も、後の組織学習論への橋渡しとして示唆深い。
経営・経済の組織論クラスタの起点。野中『知識創造企業』の組織学習論へとつながる。